新日本有限責任監査法人 公認会計士 七海健太郎
新日本ナレッジインスティテュート
新日本有限責任監査法人 公認会計士 中村崇
第5回では会社法における関連当事者取引の注記との異同点について解説します。なお、文中の意見にかかわる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りしておきます。
会社法における関連当事者取引に関する注記は、会社計算規則(以下、計規)第140条に定められています。関連当事者との間に取引があり、それが重要である場合には注記が必要になります。
会社法における関連当事者取引の開示においても、第2回で解説した下記のフローに沿って開示対象か否かを検討することに違いはありません。開示フローのそれぞれの論点における会社法との異同点を解説していきます。

財務諸表等規則(以下、財規)では連結財務諸表を作成している会社については、個別財務諸表での関連当事者注記は求められていませんが(財規第8条の10)、計規においては、連結計算書類を作成している会社においても、連結注記表での開示は不要とされ、個別注記表での開示が必要とされています(計規第129条第2項3、第140条)。
従って、会社法上の関連当事者の範囲は、会計基準における個別財務諸表上の範囲と同一となり、「重要な子会社の役員及びその近親者並びにこれらの者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社及びその子会社」は、範囲から除かれます(会計基準第5項(3)11)。
ただし、計規と財規、会計基準における関連当事者の範囲の解釈は、会社法が企業会計の基準をしん酌することにより(計規第3条)、原則として同一であるものと考えられます(表1)。
表1:会社計算規則と財務諸表等規則、会計基準の関連当事者の範囲
| 会社計算規則 (第140条4項) |
財務諸表等規則 (第8条17項) |
連結財務諸表等規則(第15条の4) | 会計基準 (第5項(3)) |
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会社法上(財規上の個別財務諸表も同様)の関連当事者の範囲を第1回で解説した図に当てはめて整理すると、図1(PDF,442KB)の通りとなります。
新日本ナレッジインスティテュート(SKI)とは、監査・会計・経営指導等の実務から蓄積したナレッジを広く社会に提供するため、ナレッジ研究・情報発信の中核的役割を担う監査・会計・経営の研究機構です。

- 決算対応 ― 今すべきことシリーズ
第5回:関連当事者の開示に関する会計基準(2009.03.06) - 関連当事者の開示に関する会計基準の概要
第5回:会社法の開示との相違点(2009.03.03) - 決算対応 ― 今すべきことシリーズ
第4回:四半期報告書との関係(2009.02.25) - 決算対応 ― 今すべきことシリーズ
第3回:新リース会計基準(2009.02.23)




