コラム

監査基準改訂の背景と役割
第1回:監査基準委員会報告書の作成(2002.11.20)


 

新日本監査法人では、会計士をはじめ、豊富な経験と実績を持った多彩なジャンルのプロフェッショナルが、高品質なサービスを提供しています。ピックアップパーソンは、その中から人物にスポットをあて、時流を読むキーとなるさまざまな情報やビジネスの最新ノウハウを皆様にわかりやすくお届けしています。

今回のピックアップパーソンは、代表社員である友永道子氏を迎え、「監査基準改定の背景と役割」をテーマにお送りします。


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今年1月、監査基準が10年ぶりに前面改訂されましたが、これにはどんな意味があるのですか。


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監査基準とは公認会計士が監査を行う際の拠るべきもので、金融庁の企業会計審議会で決められます。この10年間、会計ビッグバンで企業の会計基準はさまざまな改訂がなされていますが、監査基準はほとんど変わっておりません。また、バブル崩壊以降、企業がつくる財務諸表に対して、投資家の信頼が揺らいでいることも問題です。

そこで、国際動向を踏まえた抜本的な見直しを図ると同時に、より明確な基準を示す必要性から、今回の改訂となりました。新しい監査基準は、来年3月決算の監査から適用されます。


適用に向けた動きを教えてください。


監査基準を実務に適用するには、具体的な指針が必要です。これは、日本公認会計士協会でつくるとなっていますので、現在、協会の監査基準委員会においてその作業を進めています。

テーマは約20本ありますが、ゴーイング・コンサーンや内部統制、不正といった重要部分については、既に監査基準委員会報告書としてまとめました。残りも年内には終わる予定です。


改訂のプロセス留意されたことは何ですか。


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国際的なトレンドへの対応が一つの眼目ですから、ISA(国際監査基準)なども参考に、日本だけの特殊な実務にならないようにしています。また、報告書は公認会計士に対して強い拘束力を持っていますので、ステップを踏んで十分な審議を尽くしています。

監査基準委員会は若手を中心に20人、プラス、テーマごとに15~6人の公認会計士に参加願ったほか、付属機関の監査問題協議会では、学者の方をはじめ経団連など産業界や東京証券取引所の方々など、各方面のご意見もいただいています。


業界内はもとより社会的にも重要なお仕事をされてのご感想は?


企業会計審議会では、2年半かけてコア会議で草案を作成したのですが、これは大学のゼミのようで面白かったですね。逆に、監査基準委員会は時間が足りなくて大変でした。本年1月25日に監査基準が公表されてから作業を始め、できれば9月までに終えようと思ったものですから。

週に1度は会議を開いていました。委員の皆さんは現場で非常に忙しいにも関わらず、かなりの率で出席いただきました。全部の改訂を終えたときには、やることをやった達成感を味わえるだろうと楽しみにしています。


ところで、先生はなぜ会計士という職業を選んだのですか。


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私たちの年代は、まだ企業が女性総合職を採用する段階にはなく、長く続けられる仕事を持つには、資格を得るか公務員になるくらいしか選択肢がありませんでした。私は経済学部でしたので、公認会計士もいいかなと。当時は公認会計士の認知度が低かったこともあり、私が二次試験に受かったときは300人中女性が4人だけでした。

最近はだいぶ増えて、合格者の2割くらいが女性です。今年は約200人の女性が合格しました。当法人の採用男女比率も意識しているわけではありませんが、全体とほぼ同じです。


若手の女性公認会計士に期待することは?


女性だからという発想は、もうなくなっています。全体の2割もいる人に、特別な期待をするのもどうかなと思います。ひと昔前は、私の下に女性が入ると、その人が仕事をしやすいように、周囲に誤解があればなくすようにと気を遣いましたが、最近はそれもあまり考えません。若い方も自然体です。仕事をするのにいい時代になりましたね。